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私たちのCASE紹介

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近海イカ漁 (株)千鳥の場合

それでも多くの船主さんが、こう誤解しているようです。
「息子は他の仕事についた。後継者なんて見当たらないし、将来なんて考えられないよ」

同族だけが生きる道じゃない。
『家業』ではなく『企業』にすれば、
未来も見えてきますよ。
(株)千鳥 吉田薫専務
(株)千鳥
吉田薫専務

同族経営にはどうしても限界がある。
だから次の経営者は親族以外の人にするつもりです。

千鳥は、全国有数のイカ漁の基地・八戸市の、知る人ぞ知る優良企業。実質上の経営者である吉田専務は、乗船経験がないかわりに、鋭い経営の目でイカ釣り漁業を見ています。
「漁業の難しさは、相場の変化が激しすぎて先の予測が立たない点にあります。同じ量をとっても、売上は半分だったりする。『もうやってられない』と廃業していく仲間もたくさんいます。こんな厳しい仕事を子供らにさせたくないという気持ちは、私もよくわかります。私は漁には出ませんでしたが、オヤジにくっついて大学中退後から現場を見てきたので、船主としての生き方も身に付いている。けど、とても息子にできるとは思えません」

ここまでは、多くの船主たちと同じ。
が、吉田専務の大きな違いは、「だから自分の代で終わり」とは考えないことです。
「同族にこだわる必要はないと思うんですよ。私は、次期経営者は、同族以外の人にやってもらおうと考えています。もちろん現場を知らない人間がただ威張っていても漁師たちは言うことを聞きませんから、彼らを納得させられるだけの経営能力が必要になりますが」

漁師は漁の専門家であって、経営の専門家ではない。だったら漁のプロと経営のプロが力を合わせれば、漁業経営はもっと良くなるのではないか?なるほどこれは、ひとつの見識ではないでしょうか。

いずれにしても、いきなり『やれ』と言われても誰だって困るでしょうから、なんとか船主の仕事をシステム化できないかと、今、あれこれ考えているんですよ」

システム化といってもコンピュータに経営をさせるわけではありません。
これまで、ほとんど経験と勘に頼って行われていた漁業経営をビジネスの視点で組み立て直し、ごく普通の会社がそうであるように「経営者や担当者が変わっても、事業が継続するしくみ」を、吉田専務はつくろうとしているのです。
「私は、一番大事なのは『船の減価償却をしていくサイクル』だと思うんです。今は2隻でやってますが、これを3隻に増やして、8年ごとにつくり替えていく。そして借金を6年くらいで返す計画を立てれば、事業としてもうまく回っていくはずなんですが」
さらに経理方法の整備とかコスト管理とか、経営の骨格の部分をしっかりさせれば、漁業は『家業』から『事業』に脱皮できる、と吉田専務は考えます。
「漁業の悪い面ばかり見てないで、いい面を探すべきです。そして、1年でも先を見て手を打っていけば、決して暗い業界ではないですよ」

たまにはスーパーものぞかなきゃ。
もうかる漁業のヒントが転がってますよ。

吉田専務は、「浜にばかりいると、周りが見えなくなってしまう」と言います。
「昔、オヤジとケンカして、5年くらい陸の仕事をしてたことがあってね。あれは貴重な経験でした。海を離れると、逆に漁業が見えてきます。私はよくスーパーに行くんですよ。するとね、ウチの船がとってくる冷凍イカは、ほとんどが加工用に回るんだけど、これを船の中で1本ずつわけて冷凍すれば、スーパーの特売でも売れるな、と思うわけです。1本凍結って、手間がかかるから乗組員は嫌うんだけど、単価は高いし売り先も広がる。経営のヒントは身近にあるものです」

漁業は日本の食料を支える最前線の仕事だというプライドも、吉田専務にはあります。
「日本の漁業技術って、世界的に見ても素晴らしく高い。そりゃ、日々の仕事に振り回されているのはウチも同じです。でも、それじゃストレスばかりたまって夢がない。だから私は、なんとかして漁船経営を面白くしてやろうと思う。私のライフワークです」
みなさんの、前向きな気持ちが、漁業の未来を明るくするのです。

どうやったら漁船経営は面白くなるのか、
それを考えるのが私のライフワーク

(株)千鳥

所在地: 青森県八戸市江陽4-12-17
電話番号: 0178-22-8404
事業内容: 近海イカ漁(138トン船2隻所有)
従業員数: 18名(うち乗組員15名)
創業: 昭和41年
設立: 昭和44年
年商: 2.49億円(平成9年度実績)