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近海カツオ漁

  魚をあやして、合わせる。
頭上に跳ねあげ、針をはずす。
これが、カツオ跳ね釣りだ。
   
  回遊魚・カツオの群れを追い北上する、腕に自身の男たち。
南西諸島から、和歌山沖、房総沖、三陸沖へ。
 
主な漁場

南西諸島、和歌山沖、房総沖、三陸沖
●北上するカツオ、南下する戻りガツオは季節によって漁場が異なる。

この漁の船の主な基地は?

千葉県勝浦港、静岡県御前崎港、三重県長島港・和具港・引本港、高知県奈半利港・佐賀港、宮崎県油津港・大堂津港・目井津港、他

   
 

一本釣りが進化した 跳ね釣りが主流の漁だ

 
 船は79~119トンで、船首から船尾まで約30メートル。乗組員は16~20人で、船長、漁労長、機関長、通信長が各1名と船員たちで構成される。

  カツオは回遊魚。つまり季節によって住みかを移す魚なので、漁場は季節ごとに変わる。数時間~1日くらいで、漁場に到着。さて、ここからが豪快だ。船にたっぷり積んである活餌のカタクチイワシを海に投げ込む。さらに海に向かって、ザバザバと散水する。こうすると水面が泡立って、カツオにはエサの小魚がたくさんいるように見えるのだ。そうやって集まってきたカツオを、釣竿でどんどん釣り上げる。

  最近は、一本釣りでも「跳ね釣り」という方法が主流。昔は、とった魚からいちいち針を外していたのだが、この「跳ね釣り」は、魚を頭上にはねあげて針をはずす。針をはずす作業をしている間に、「跳ね釣り」なら3匹は釣れる。
   
 

新人の仕事は、積み込みや見張り役の見習い

 
 カツオ釣りの漁師はとにかくカッコイイ。その男っぽさに憧れて船に乗るのはいいのだが、カッコイイ漁師になるためには、それなりの経験が必要とされる。一人前になるには最低でも2~3年かけて、カツオ釣りのコツをつかむ。

  新人の仕事は、まず港を出る前に食料や飲み水を積み込む。漁場に着くまでは「ワッチ=WATCH」と呼ばれる見張り役の見習い。また、国内のエサ場でカタクチイワシを積み込むのも新人の仕事だ。漁の帰りにはカツオでいっぱいになる魚艙にイワシを入れておくのだ。

  釣っている時間は10~15分のこともあれば、1時間ということもある。魚が寄っているときは、ひたすら釣るのだ。新人はエサを運んだり、釣ったカツオを魚艙に入れたり、後かたづけをする。港に戻るまでは漁具の手入れ、港に入ったら全員総がかりで水揚げだ。
   
 

航海のサイクルは?

 だいたい2~5日。近海のカツオ漁では、釣った魚は冷凍でなく冷却水に漬けておくので、あまり長く海にいると鮮度が落ちて商品価値も下がってしまう。だから、こまめに港に入るのだ。ただし、入る港が出航した港とは限らない。
 

資源管理対策は?

 現在、カツオ資源はおおむね良好だが、世界的な水産資源管理の動きを見据え2008年4月より水揚げ総量規制(5万トン)を実施する。カツオ漁の釣り漁法は大きなカツオを対象にし、小さなものはとらないので資源にやさしい漁法だ。
   
  ●一人前になるには
   漁の全体の流れを覚えるのに1年。後は人によって、努力しだいだ。カツオ釣りのタイミングは「あやして、合わせる」。「あやす」とは、竿先の魚が動いているように見せかけること。また「合わせる」とは、カツオがかかった瞬間に引きあげること。ベテランの技に学ぶべし。
   
   
  ・・・・・この仕事に就くためには?・・・・・
 
<資格>
15歳以上で義務教育修了者なら誰でもOK。
(20歳未満は父母の承諾が必要)

<勤務時間>
1日の仕事時間は6~8時間。朝4時頃起床。カツオの群にたどりつくまでに数分~数時間。釣っている時間は、数10分から、長いと1時間前後。時間があれば、すぐ次の群まで移動して釣る。これを夕方まで繰り返す。あとは風呂に入ってメシを食って自由時間。ただし、ローテーションで夜の見張りにつくこともある。

<休日>

海の仕事の休みは不定期。年末年始の休みは20日、お盆休み3日、ドック休み2日。通常は、5~7日海に出て戻り、1日休んでまた出航というペース。ただ、エサのカタクチイワシが不漁だったり、海がシケたりすると漁は休みになる。最低週に1日は休めるはずだ。平均的な年間の休日数は、60日。ただしこの数字は九州の日南市の例で、お盆などの休みの取り方は地方ごとに違うので、念のため。

<給料>
最低保障額は月額15万円。
一般船員の平均的な給与額は月額20万円~25万円(平均的な歩合を含む)。これは、日本有数の近海カツオ漁の基地、宮崎県日南市の漁業協同組合の数字。

<福利厚生>

船員保険(健康、厚生、雇用を含む)完備、災害補償などあり。作業着や漁具は貸与。
※そのほか日南市では、独身者の住まいを船主が確保したり、漁協が既婚者に漁業者向け市営アパートを斡旋したりしている。

<ステップアップのための支援措置>
将来、幹部になるためには海技免状の取得が必須条件。海技免状取得のための講習会参加や海技試験受験の際の助成などもある。
●就業条件は、地域、船会社、漁獲量、漁獲物の市場価格、そしてあなたの資格の有無によって大きく変動します。

<お問合せ先>
全国漁業就業者確保育成センター
03‐5215‐5690
 
   
 
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